【分解・修理】PanasonicのCDラジカセRX-DT35の修理、内部のクリーニング

どーも!省吾です!(^^)!

PanasonicのRX-DT35のメンテナンスをします。

PanasonicのRX-DT35

RX-DT35は、DTシリーズの最後のモデルになります。のちにマイナーチェンジしたRX-DT36がありますが、そちらはボリュームなどが電子化してサウンドバーチャライザー搭載、CD-RW再生に対応したモデルになります。

メンテナンス内容は、内部の掃除とカセットデッキの片方だけ再生速度が遅い問題の解消です。

仕様

  • Wカセットデッキ
  • PLLシンセサイザーチューナー
  • フロントトップオープン型スポットライトCDトレイ
  • DAコンバーターにMASH搭載
  • 実用最大出力(DC時):2.5W+2.5W

外観

各所ほこりがすごいことになっていますが、今回はその掃除を兼ねたメンテナンスをします。

PanasonicのRX-DT35 CDトレイ

フロントトップオープン型スポットライトCDトレイ

なんだか長くてカッコいいような名前ですが、簡単に説明するとこんな感じ…

PanasonicのRX-DT35 CDトレイ オープン

CDトレイがこのように出てくる機種は当機種のDT35やマイナーチェンジのDT36以外に見たことがありません。(当機種類似の海外向け機種省く)

Wカセットデッキを搭載したい。でもCDを電動トレイにしたらコストがかかる。という理由でこのような特殊なデザインになったのでしょうか?

PanasonicのRX-DT35 ディスプレイ

ディスプレイが見えにくくなってしまっています。使用環境にもよりますが、液晶パネルの両面に貼られている偏光板の劣化(ビネガーシンドローム)と一番奥に張り付けられている銀色の反射フィルムのようなものの劣化が疑われます。

液晶自体の劣化も疑われるのでここの修復は今回はパスで。

PanasonicのRX-DT35 スピーカー

10cm、6Ωスピーカー

ストロークがあまりないタイプのスピーカーですが、ラジカセとしては音が聞きやすくなるのでこれはこれでアリ。

音質切り替えは【ハイ】と【ロー】だけです。DT36では4種類のプリセットイコライザ―が使えます。

PanasonicのRX-DT35 カセット

Wカセットはよくある操作しやすいタイプのやつ。

電子制御よりは安心と信頼の実績があります。

PanasonicのRX-DT35 カセットデッキ内部

Panasonicはカセットメカがなぜかこうなってしまいます。他社製のもっと古い年式のラジカセでもここまで酷くはなりませんよ…

何も知らずにこの状態で大切なテープを再生させようものなら…

オソロシィ〜ですね。

PanasonicのRX-DT35 背面

背面は電池ボックスとヘッドフォン端子のみ。外部入力は非搭載です。

当機種は2003年製

本来はリモコンも付いています。

分解

PanasonicのRX-DT35 分解

分解の難易度は【★★☆☆☆】くらいですが、CDトレイを開けた状態にしないと開けられません。また、勢いよく開けるとスピーカーの配線がメインの基盤にコネクタで接続されているため、断線してしまう恐れがあるので作業はあくまで慎重に進めていきます。

スピーカー部

PanasonicのRX-DT35 分解2

2000年代前半(?)の1万円くらいのラジカセはこんなスピーカーがよく使われていましたね。金属プレスの量産型のやつ。

低音は出ませんが、中音域は聞きやすいのでラジカセとしては使い勝手が良いスピーカーです。

2W+2W程度の出力でもそこそこの音量が出るので、能率は高めかもしれませんね。

PanasonicのRX-DT35 スピーカーユニット

SAMCO製です。

10cm、6Ω、2.5W

重量が軽く、まさに低価格なスピーカーといった感です。

CDプレーヤー部

PanasonicのRX-DT35 CDデッキ

メカの部分が固定されており、トレイを閉じると上のアレ(クランパー?)が下りてきてCDを挟むという仕組みです。

PanasonicのRX-DT35 CDユニット

ピックアップはRX-ED50と同じかと思いきや、ピックアップのレールの部分が少し違いました。わかる方は『あぁ、もしかしたらあのパターンのやつね。』と心の中で思っておいてください。

いや、テキトーすぎて草
しゃーない。型番書いてないから
(笑)

カセットデッキ部

とりあえず調子が悪いのはカセットデッキ。

パナソニックはとにかくカセットのメカがサビやすい、汚れやすいのです。

他のメーカーの機種と比較しても不思議なくらい汚れやすいし錆びやすい。

なので、中古で購入した場合はまず先にメカ内部の確認をしないと大切なテープを絡め取ってしまう事故が起こる可能性が高いです。

まぁ、そのあたり、パナソニック製に限らずですが。

PanasonicのRX-DT35 カセットデッキメカ

ラジカセではよくある1モータータイプ。

このモーター1つで両方のデッキの再生・早回しを担当します。

PanasonicのRX-DT35 カセットデッキ ゴムベルト

プラスチック製のキャプスタンホイールですが、価格帯が上のRX-ED50やED57より軸の部分がしっかりしている印象です。

ED50やED57のキャプスタンホイールは軸の部分が弱く、プラスチックが破損してホイールの回転がガタガタと不安定になってしまっている個体がほとんどです。

ホイールにはベルトが架かっており、その圧力を常に受けるため負担がかかる部分でもあります。

カセットデッキ ゴムベルト

片方のデッキだけ再生速度が遅くなる問題は、ベルトの劣化によってモーター側のプーリーの適正な位置からズレてしまうからです。

ベルトの長さも丁度いいサイズでないとまた不具合が出てしまいます。緩くてもきつくてもダメです。

また、両方のデッキでキャプスタンベルトの長さが違います。(リール用のベルトは同じ長さ)

PanasonicのRX-DT35 カセットデッキ内部

恐ろしく、非常にヤバい状態です。

部品ごと交換してしまいたいのですが、入手が難しいのと、同型機を入手しても同じような状態になっている可能性がとても高いので現状で何とかしてみます。

幸いにもサビているのではなく、テープの磁性体が付いて汚れているだけのようです。

汚れ落としにオーディオクリーニングキットを使います。

カセットデッキ用 オーディオクリーニングキット

ヘッド・キャプスタン用とピンチローラー用で分かれています。

アルコールの比率がヘッド・キャプスタン用の方が多めなようです。

私はOHM電気製のを使っていますが、オーディオテクニカ製の方が容量多めです。

ラジカセやカセットデッキの日々のクリーニングに便利です。なんせ近年のカセットテープ(特に安いやつ)はヘッドやピンチローラーを汚しやすい気がします。

すみません。クリーニング後の画像をとり忘れました。ぴえん🥺

録音側の消去ヘッドはマグネット式です。

交流バイアス消去ヘッドでは100kHzくらいの信号をテープに与えて消去しますが、こちらは録音時のみ磁石が付いたヘッドをテープに接触させて消去しています。

まとめ

このラジカセは比較的使いやすく、低域はほぼ出ませんが聴きやすい音色のため重宝します。ED50やED57だとカセットデッキもメタルテープまで再生対応していたりハイパワー出力だったりしますが、なんせ操作が若干難しく、一瞬戸惑うことがあります。

とりあえず今回はほぼクリーニングのみでメンテナンス終了です。

でわでわ(^^)/